以前からもっていた下の使用済ペア、ローラー印の日付は34.5.1です。局名は東京中央でしょう。しかしこのコイル切手が2枚続き以上でも売られるようになったのは昭和35年2月1日以降だったはず。その日付のFDCも作られています。なのでこれは再接品だと思っていたのですが、改めてよく調べてみたところ、目打にそって軽い折れは認められるものの、どうも本当につながっているようです(水につけてみれば確実なことはわかりますが冒険はやめました)。
そこで「2枚続き以上で...」を改めて「普専」で確認しようとしたら、そのような記述は見つかりません。最後の頃の「日専」にも見つかりません。不審に思いながら数冊保存してある日専旧版をたどっていき、ようやく1980年版に次のような記載を見つけました。
この記載をよりどころに、2枚続き以上で売るようになったのは昭和35年2月1日以降と思い込んでいたわけですが、改めて注意深く読んでみました。自販機を東京中央にしか置かないことと全郵普にFDCを売らせたこととに何の関係があるかはともかく、東京中央局では「すべて単片にちぎって売り出した」とあります。このときの自販機では機構上1枚ずつでしか販売できなかったので、わざわざ「このようなバカげたやり方」と書いてあるのは、郵趣窓口でも1枚づつにちぎって販売したことを言っているのだと思い込んでいたのですが、どうもそういうことではないようです。
行徳国宏編「戦後の郵政資料第2巻」にこのコイル切手発行時の資料は見当たりませんが、「昭和35年2月1日から東京中央郵便局切手普及課で、一般に売りさばくこととなった」と記載された資料が収録されています。この資料には、東京中央局で自販機のみで販売するという通達が前年1月24日にあったという記載もあります。そもそも東京中央の郵趣窓口では、(最初の数日間は不明ですが)このコイル切手そのものを販売しなかったのですね。ただし最初の数日間だけは、本当に郵趣窓口で1枚ずつにちぎって販売したのかもしれません。
ともかく冒頭の画像の使用済ペアは何?ということになりますが、上記日専の記載には、日本郵趣協会が会員に20枚宛て額面頒布したとあります。まさか東京中央の自販機で大量に買ってきてそれを頒布したわけでもないでしょう。何とか完封品を入手して、それを最大20連で頒布したと思われます。その頒布品をペアで使用したのが問題の使用済、ということになるでしょうか。
本家に新昭和切手の使用例を1本アップしました。今月は1本だけです。
50年くらい前、普通切手のFDC収集に熱中していたことがあります。各切手について未使用単片、使用済単片、使用済田型とFDCを1リーフに貼って、悦に入っていました。もちろん書き込みは手書きです。
その頃のリーフに貼られていたマテリアルは、そののち整理し直して別のリーフに引っ越したのですが、FDCだけは古いリーフに貼られたまましまい込まれていました。
その彼らと久しぶりに対面しました。状態の劣化はほとんど見られません。眺めているうちにそのままにしておけなくなり、整理し直してあげることにしました。と言っても、古いリーフの裏面に2通ずつ貼って、ちょろっと書き込みをしただけです。切手展の出品作品に使う機会はないでしょうが、時にはこういうリーフを眺めながら当時に思いを巡らすのもよいものです。
昨日アップした完封開封の話とは別に、最近「15円きくコイル」の黒塗りリード紙つき500枚巻き完封(日付45.6.23)を入手しました。日専、普専、鳴美版「新動植物国宝切手カタログ」に載っている「15円きくコイルは初期500枚巻き、後期1000枚巻き」という記述は、誤りと思われます(同じ黒塗りでも最後期のものは1000枚巻き、という可能性もないではありませんが...)。組合版カタログや日本切手百科事典では、全部が500枚巻きと書かれています。
これに関連して、本家に載せている15円コイル関連の記事2本(アルバムページとトピックスの部屋)に追記をつけました。
本家に新記事2本、更新記事1本をアップしました。新動植物国宝関連2本と花シリーズ貼り外信便です。
またトピックスの部屋の書庫を整理し、同類の記事がなるべく近くに位置するようにしました。古い記事が多少は探しやすくなったかと思います。他の部屋もそのうちに...。
本日作品を発送したのですが、そのあとで間違いを発見!!
下に載せたタイトルリーフの書き込みに間違いがあります。実際に作品を見てアラ探しをするとわかるのですが、まあご愛敬ということで、...。
4月に開催されるスタンプショウの企画展示「切手趣味週間切手発行75年」用に、5フレームの作品を仕上げ中です。郵趣3月号の告知記事ではタイトルが「趣味週間切手の歴史1947-91」となっていますが、正しくは「趣味週間切手の歴史1947-2019」です。すなわち平成最後の年までカバーしています。
作品の柱は、「適切な消印」のついた使用済切手で揃えた全種一覧。イベントの趣旨を考えると未使用の方が良いかなとも思いましたが、切手屋さんの店頭で一気に揃ってしまうようなものでは、やはり面白くありません。新しいところはやっと揃いました。
平成の部分はこれに目打や連刷パターンの変遷などを少し加えただけですが、昭和の部分については目打型式など製造面表現を掘り下げたほか、多彩なカバー類による使用面表現も含めて、伝統郵趣コレクションとしての体裁を整えてあります。
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